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ウィキメディア財団 年次計画/2025-2026/グローバルなトレンド

From Meta, a Wikimedia project coordination wiki
This page is a translated version of the page Wikimedia Foundation Annual Plan/2025-2026/Global Trends and the translation is 73% complete.

毎年ウィキメディア財団は今後1年間の年間計画を開始するにあたり、ウィキメディアの運動とプロジェクトの運営に大きな影響を与えると思われるトレンドのリストを作成します。すなわち人々がオンラインで情報を検索したり投稿したりする方法や場所の変化、オンライン空間での誤報や偽情報の増加、オンライン情報プロバイダーの規制の精緻化など、私たちの使命に最も関連のあるオンライントレンドを特定します。この分析により、「世界は今、ウィキメディアに何を求めているか?」という指針となる質問から計画を開始できます。

この問いはウィキメディア運動全体にわたる対話の原動力となっています。過去数年と同様、以下に述べる傾向下において現在の技術的、地政学的、社会的環境がウィキペディア創設当時と大きく異なること、そして私たちがどのように適応し進化し続けなければならないかを示しています。それぞれの分析を元に、ウィキメディアンを強力な技術ツールや信頼性と安全性の対策をもってより保護することからウィキメディアのコンテンツを新しい方法で読者に届ける実験まで、私たちの年間計画と将来に影響を与える戦略を形作ります。

世間の人が情報を受け取ったり投稿したりする方法の変化

オンライン情報に寄せられる信頼は低下し続け、こういう情報は真実で信頼できるという常識は細切れになりました。

昨年、消費者はオンラインで大量の情報に浸っており、信頼できる人々によって集約された情報を求める傾向が高まっていると指摘しました。Google AI 概要やその他の AI 検索製品の登場により、ウェブ上で情報を検索する多くの人々が AI の支援を受けています。とはいえ、AI 支援検索は人々が情報を入手する他の方法(例:従来のウェブ検索エンジンやソーシャルプラットフォーム経由)をまだ追い抜いていません。それでも、昨年指摘しましたが、信頼できる人々に頼る傾向は強まっていると見ています。人々は政府機関やメディアなど従来の知識の権威にますます懐疑的になり、代わりにオンラインで人々の信念や信頼に大きな影響を与えている有名人に頼る人が増えてきました。オンラインのSNS(ソーシャルプラットフォーム、例:ポッドキャスター、ヴロッガー vlogger)の有名人とは、世界各地の選挙など重要な出来事に以前より大きな影響を及ぼしています。自分の人口統計上の立場や思想信条(イデオロギー)を共有する人物を求めるあまり、事実をめぐる共通の合意から分断されて孤立したフィルターバブルに閉じこめられた状態に陥る人々が増えています。

人はやりがいのあるつながりを提供するオンライン空間に惹かれます。

数十万人のウィキメディアンの貢献と時間に依存するウェブサイトとして、私たちは人々がオンラインでどこでどのように貢献しているか、世間の傾向を注意深く追跡しています。昨年、私たちが強調したのは、人々がオンラインで知識を共有する有益で強力な方法は数多く存在するという点でした。今年の観察では、世界中の人々が自分の興味に基づいた小規模なグループ(Facebook、WhatsApp、Reddit、Discord などのプラットフォーム上)に熱心に参加し、知識や専門知識を共有しています。これらのスペースは幅広い一般的なソーシャル チャンネルよりも世界的に人気が高まっており人々がより快適に参加できるようになっています。熱心なボランティアの中心メンバーがこれらのコミュニティを維持しており、節度を呼びかけたり新人指導など重要な活動を担当しています。

特に若者にとってゲームはソーシャルメディアに匹敵する参加型の空間となっています。Discord や Twitch などのプラットフォーム上でゲームコミュニティが形成されており、そこでは参加者は単にゲームをプレイするだけでなく、イベントを企画したり、ユーザーのコンテンツや行動を管理したりして、積極的に共同制作や参加を行っています。多くのプラットフォームはゲームを活用し無関係なプロダクトへの関わりを促進しています。たとえばニューヨークタイムズのゲームセクションは成功し、成長を続けています

人間がオンライン活動に費やす時間は限られており、2020年から2021年に始まり現在まで続いているウィキメディアプロジェクトの編集者として登録する新規ユーザー数の減少の原因の1つは、他のやりがいのあるオンラインスペースへの参加の人気と魅力が高まっていることに関係しているのではないかと私たちは考えています。

オンライン情報の配布と規制の方法はどう変わるか

Digital information that is created and verified by humans is the most valuable asset in the AI tech platform wars.

Last year we predicted that AI would be weaponized in creating and spreading online disinformation. This year, we are seeing that low-quality AI content is being churned out not just to spread false information, but as a get-rich-quick scheme, and is overwhelming the internet. High-quality information that is reliably human-produced has become a dwindling and precious commodity that technology platforms are racing to scrape from the web and distribute through new search experiences (both AI and traditional search) on their platforms. Publishers of human-created online content across multiple industries (for example, many of the major news and media companies globally) are responding by negotiating content licensing deals with AI companies and instituting paywalls to protect themselves from abusive reuse. These restrictions are further decreasing the availability of free, high-quality information to the general public.

Struggles over neutral and verifiable information threaten access to knowledge projects and their contributors.

Last year, we highlighted that regulation globally poses challenges and opportunities to online information-sharing projects that vary by jurisdiction. This year, challenges to sharing verified, neutral information online have increased significantly. Public consensus around the meaning of concepts like “facts” and “neutrality” is increasingly fragmented and politicized. Special interest groups, influencers, and some governments are undermining the credibility of online sources that they disagree with. Others also try to silence sources of information through vexatious litigation.

世界的に、オンライン技術プラットフォームを規制しようとする法律が増えていますが、そう言った規制はオープンサイエンスイニシアチブ、クラウドソーシングによる知識や文化遺産のリポジトリ、オンラインアーカイブなど、公共の利益のために存在する非営利プラットフォームにも容赦ありません。画一的なオンライン規制はこれらのプラットフォーム上の投稿者と読者のプライバシーを脅かしコミュニティのコンテンツ管理慣行を危険にさらす可能性があります。たとえば、プラットフォームに訪問者や投稿者の身元確認や行動の追跡を義務付ける法律は、情報にアクセスしたり情報を共有したりする際に人々のプライバシーや安全を危険にさらす可能性があります。プラットフォームに誤情報と分類されたコンテンツを直ちに削除することを要求する規制は、コミュニティの合意に基づいて運営され、利益よりも正確性を優先するプラットフォームにおいて誤情報に対処するために組み込まれた安全策に反します。

拡張権限を預かるユーザー数は減少しています

Wikipedia's long-term sustainability relies on a steady influx of new users who contribute quality content and remain engaged. Across Wikimedia sites, trusted volunteers perform tasks—both technical and social—to keep Wikimedia projects and their communities running smoothly and safely. However, recent research indicates a decline in users with extended rights, posing challenges to the growth and health of the community.

Users with extended rights – a group that encompasses administrators, functionaries, and a number of other roles with advanced access – play an outsized role in the health of Wikimedia projects, preventing harm and paving the way for positive change. Users with extended rights represent the throughline to enabling our projects to be multigenerational.

拡張権限をあずかる利用者を支援するため財団がかまえる社会ならびに技術のイニシアティブについて詳細を読み対話に参加しませんか。

次の段階と対話への参加

これまでコミュニティにお伝えしたトレンド関連の情報と同様、上記は私たちの運動が直面している脅威と機会を単に包括したリストではなく、むしろ次の会計年度の計画を開始するにあたり、今、世界が私たちに何を求めているか議論し調整する手段となるものです。今年初め、製品・技術最高責任者セレナ・デッケルマンは世界中の私たちのコミュニティに呼びかけ、一人ひとりにとって最も重要なトレンドや変化を共有してくれるようお願いしており – 皆さんもぜひこのトークページで話し合いを続けてください。これらのトレンドに応じるため、ウィキメディア財団は数ヵ月以内に来年の取り組みを示す年間計画の草案を発表する予定です。一部の作業はすでに進行中であり、たとえば編集者の新規参加減少に対処するため新しく種類を追加した「編集チェック」は高性能なワークフローであり、新規利用者が建設的なモバイル編集を簡単に行えるようにして、貢献をさらに重ねる可能性を高めます。社会と技術の環境の変化に囲まれた私たちは、無償の知識プロジェクトをどのように保護し成長させるかコミュニティとさらに対話を続けたいと期待しています。