コミュニケーション/ウィキメディア財団について話すとき
ウィキメディア財団のコミュニケーション部門はウィキメディア財団について話したり書くためのガイドラインを作成しました。ウィキメディア財団の代表(スタッフ、請負人、理事など)がウィキメディア財団またはその仕事について話すときに参考になることを念頭に置いて作成されたガイドラインである。このガイドラインは外部の視聴者が参加するにあたってその障礙を取り除き、内部の視聴者に対してはよく混乱を招く要素を取り除く。そのため、コミュニケーション部門はウィキメディア財団の代表に対し、全てのコミュニケーションにおいてこのガイドラインを検討するよう推奨しています。
本文書は生きた文書であり、これからも改訂されていきます。そのため、あなたの意見は大いに歓迎され、感謝されます!
ウィキメディア財団について話す
公式の説明文
ウィキメディア財団はウィキペディアなどウィキメディアのフリー知識プロジェクトを支える非営利組織です。ウィキメディア財団はウィキペディアとその関連サイトで使われている技術を管理、ウィキペディアの運営を可能にしたグローバルのボランティアコミュニティを支援、ウィキメディア運動を支援するための募金活動を行います。ウィキメディア財団はウィキペディアなどウィキメディアプロジェクトの内容を管理しません。管理を行うのはグローバルのボランティアであり、毎ボランティアのうち20万人以上がウィキペディアで編集しています。ウィキメディア財団は本部をカリフォルニア州サンフランシスコに置いており、主に寄付金と補助金を財源とする、米国内国歳入法501条(c)(3)認定を受けた慈善団体です。
説明文の代案
ウィキメディア財団はウィキペディアなどウィキメディアのフリー知識プロジェクト、およびすべての人々にフリー知識を与えるという財団のミッションを支える非営利組織です。私たちは世界中の人々に新しい知識をもたらし、参加への障害を取り払い、人々にその知識の共有をしやすくします。そのために、私たちはウィキメディアプロジェクトを速く、安全、全ての人々に利用できるように維持して、ウィキペディアなどのフリー知識プロジェクトが成長できるようにその価値観と方針を守り、新しい機能やツールを開発してウィキメディアのサイトの閲覧、編集、共有をしやすくして、プロジェクトを可能にしたボランティアのコミュニティを支援します。
簡略化された説明文
ウィキメディア財団はウィキペディアなどのフリー知識プロジェクトを支える非営利組織です。
「ウィキメディア財団」という語の使用(ヒント: 「WMF」は使わない)
一般的には、ウィキメディア財団にはじめて言及するときに「ウィキメディア財団」とフルネームを使い、以降は「財団」と短縮します。
しかし、2つの財団に言及するときは「財団」に短縮することを避けてください。例えば、ウェールズ財団からウィキメディア財団への補助金についての議論で「財団」と短縮することは混乱を招きます。
ウィキメディア財団を「WMF」と呼ぶことは避けてください。すでにWMFという頭字語を紹介している場合は例外になるかもしれませんが、WMFのアルファベットは全ての言語に存在するとは限らず、他言語に翻訳する翻訳者はWMFを英語のまま訳さないことが多いです。結果としては読者の混乱を招きます。もう1つの例外は頭字語の使用が技術上最良とされる場合です(例えば、CSSスタイルの名前、スタッフの利用者名など)。
職員構成
ウィキメディア財団の職員構成は下記の通り。
- 部門(Departments)
- チーム(Teams)
- サブチーム(Sub-teams)
- チーム(Teams)
部門
- 振興(Advancement)
- 「募金」(Fundraising)ではない
- 観衆(Audiences)
- 「プロダクト」(Product)や「エンジニアリング」(Engineering)ではない
- コミュニケーション(Communications)
- 事務長室(Office of the Executive Director)
- 「ガバナンス」(Governance)ではない
- 財務・管理(Finance and Administration)
- 「財務」(Finance)、「管理」、「事務」(AdministrationまたはAdmin)ではない
- 法務(Legal)
- 人財・企業文化(Talent and Culture)
- 「人的資源」、「人事」、「人財」(Human ResourcesまたはHR)ではない
- 技術(Technology)
- 「テック」(Tech)、「IT」、「エンジニアリング」(Engineering)ではない
ウィキメディアの用語
一貫性を保つよう、下記の表記を使用してください。頭字語や省略形は常に避けてください。
英語以外の言語ではそのプロジェクトのコミュニティが定めた綴りを使用してください。
ウィキメディアのプロジェクト群の構造
- * ウィキメディアのプロジェクト群
- コンテンツプロジェクト(Content projects)
- アウトリーチと管理のプロジェクト(Outreach and administration projects)
- 技術と開発のプロジェクト(Technical and development projects)
- 非公開のウィキメディア管理用ウィキ(Private Wikimedia administration wikis)
ウィキメディアのコンテンツプロジェクト
名前 | 簡単な説明 | 間違った表記 | 備考 |
---|---|---|---|
ウィキブックス(Wikibooks) | フリー教科書と解説書 | ||
ウィキデータ(Wikidata) | フリー知識ベース | ||
ウィキメディア・コモンズ(Wikimedia Commons) | フリーメディア貯蔵庫 | 2回目以降は「コモンズ」(Commons)でも可 | |
ウィキニュース(Wikinews) | フリーコンテンツのニュース | ウィキトリビューン(Wikitribune) | |
ウィキペディア(Wikipedia) | フリー百科事典 | ||
ウィキクォート(Wikiquote) | 引用句集 | ||
ウィキソース(Wikisource) | フリーコンテント文庫 | ||
ウィキスピーシーズ(Wikispecies) | 生物種の分類目録 | ||
ウィキバーシティ(Wikiversity) | フリー学習教材と活動 | ||
ウィキボヤージュ(Wikivoyage) | フリー旅行ガイド | WikiVoyage(Vが大文字)、ウィキトラベル(Wikitravel) | |
ウィクショナリー(Wiktionary) | フリー辞書と類語辞典 | ウィキショナリー(Wikitionary) |
ウィキメディアのアウトリーチと管理のプロジェクト
名前 | 簡単な説明 | 間違った表記 | 備考 |
---|---|---|---|
メタウィキ(Meta-Wiki) | ウィキメディア・プロジェクト群の調整 | メタ(Meta) | |
ウィキメディア・インキュベーター(Wikimedia Incubator) | 発展途上の言語版 | ||
ウィキメディア・メールサービス(Wikimedia Mailservices) | ウィキメディアのメーリングリスト | ||
ウィキメディア・アウトリーチ(Wikimedia Outreach) | ウィキメディアのアウトリーチ活動の調整 | ||
Wikistats | ウィキメディアの統計 |
ウィキメディアの技術と開発のプロジェクト
名前 | 簡単な説明 | 間違った表記 | 備考 |
---|---|---|---|
MediaWiki | フリーなウィキソフトウェア | Mediawiki(Wが小文字)、Media wiki(1語ではない) | |
MediaWiki.org | MediaWikiソフトウェアの文書、議論、開発用 | MW.org(省略形は使わない)、MediaWiki(.orgがないのはソフトウェア名)、MediaWikiのウィキ(英語表記: MediaWiki Wiki。ウィキではなくきちんとした名前がある) | |
テスト・ウィキペディア(Test Wikipedia) | ソフトウェアの変更の実験用 | ||
Wikitech | ウィキメディアの技術文書 | ||
ウィキメディア・クラウドサービス(Wikimedia Cloud Services) | コミュニティが管理するソフトウェアプロジェクト、ツール、データ解析ツールのホスト環境 | ウィキメディア・ラボ(英語表記: Wikimedia Labs。2017年までの旧称)、ラボ(Labs)、ツール・ラボ(Tool Labs) | |
Wikimedia Phabricator | MediaWikiのバグトラッカー | Bugzilla(Mozillaのシステム) |
非公開のウィキメディア管理用ウィキ
名前 | 簡単な説明 | 間違った表記 | 備考 |
---|---|---|---|
理事会ウィキ(Board Wiki) | ウィキメディア財団理事会用 | ||
コラボウィキ(Collab Wiki) | ウィキメディア財団内で非公開の内容を共作するためのウィキ | ||
内部ウィキ(Internal Wiki) | もう使われていませんが、参照されることはあります。ウィキメディア財団とコミュニティのリーダー間で使われるウィキ | ||
事務局ウィキ(Office Wiki) | ウィキメディア財団の職員と理事会用 |
ウィキメディア財団の実体
- 理事会(Board of Trustees)
- 「取締役会」、「役員会」(Board of Directors)ではない
- 事務長(Executive Director)
- 「社長」、「代表取締役」、「最高経営責任者」(Chief Executive Officer)ではない
- ウィキメディア・ブログ(Wikimedia Blog)
- 「Wikimedia blog」(Bが小文字)、「ウィキメディア財団ブログ」(Wikimedia Foundation Blog)ではない
- ウィキメディア財団のウェブサイト(Wikimedia Foundation website)
- 「財団ウィキ」(Foundation Wiki)ではない
- リーダーシップチーム(Leadership team)
- 「C-Lvls」(「最高経営責任者」のように、「最高」(Chief)が頭につく役職グループという意味)ではない
ウィキメディア運動の実体
- ウィキマニア(Wikimania)
- 簡単な説明: ウィキメディアのプロジェクト群が中心となっている年次会議
- ウィキメディア会議(Wikimedia Conference)
- 簡単な説明: ウィキメディア運動の提携団体の年次会議
- ウィキメディア国別協会(Wikimedia chapters)
- 「ウィキメディア財団国別協会」(Wikimedia Foundation chapters)ではない
- ウィキメディア運動の提携団体(Wikimedia movement affiliates)
- 「ウィキメディア財団の提携団体」(Wikimedia Foundation affiliates)ではない
- ウィキメディアテーマ別組織(Wikimedia thematic organizations)
- ウィキメディア利用者グループ
- ウィキメディア2030(Wikimedia 2030)
- 簡単な説明: 2017年に提案された、以降の15年間のウィキメディア運動戦略。
- 別称: 2017年ウィキメディア運動戦略プロセス(2017 Wikimedia movement strategy process)
一般的な用語
一貫性を保つよう、下記の表記を使用してください。頭字語や省略形は常に避けてください。
- ウィキページ(Wiki page)
- 「wiki」(Wiki pageがサイト内の1ページを指すのに対し、wikiはサイト全体を指す)、「ウィキウィキ」(英語表記: wiki wiki。ウィキの別呼称)ではない
- 別表記: ページ(page)、wikipage、wiki-page、ウィキ記事(英語表記: wiki article。標準名前空間のページを指す場合のみ)
- ウィキメディアのプロジェクト群(Wikimedia projects)
- 別表記: ウィキメディアのウィキプロジェクト群(Wikimedia wiki projects)、ウィキメディアのサイト群(Wikimedia sites)、ウィキメディアのウィキサイト群(Wikimedia wiki sites)
- 「ウィキメディアのプログラム群」(Wikimedia programs)ではない
- ウィキメディア運動(Wikimedia movement)
- 簡単な説明: ウィキメディアのサイトやプロジェクトに関わる人々や活動、価値観の集合体。
- ウィキメディアのコミュニティ(Wikimedia communities)
- 簡単な説明: ウィキメディア運動に活発的に関わったり、支持しているボランティア、寄付者、スタッフ、読者。
- ウィキメディアン(Wikimedians)
- 簡単な説明: ウィキメディア財団のプロジェクトの広いコミュニティに含まれる人々(スタッフ含む)。ウィキペディアンを含むが、ウィキソース、ウィキブックスなどに貢献する人々も含む。
- 「ウィキペディアン」とは違う概念。
- ウィキペディアン(Wikipedians)
- 簡単な説明: ウィキペディアの貢献者のみを指す。ほとんどの場合、間違った表記です。
- 「ウィキメディアン」とは違う概念。
統計
下記は組織からの広報で使われている公式統計(2022年5月時点)です。
- ウィキペディアの全言語版で合計5800万記事以上[1]
- ウィキペディアは300近くの言語で提供されている[1]
- 毎月、300,000人以上の編集者がウィキメディアのプロジェクト群に貢献しています[2]
- 毎月、250,000人以上の編集者がウィキペディアに貢献しています[2]
- 毎月、約70,000人のボランティア編集者がウィキペディアに5編集以上貢献しています[2]
- ウィキペディアは毎月220億回以上閲覧されています[2]
- ウィキメディアのサイトは毎月10億以上のデバイスから閲覧されています[2]
- ウィキペディアの登録利用者数は7300万以上[1]
- ウィキペディアは毎秒6,000回閲覧されています[2]
- ウィキメディア・コモンズには8200万以上のファイルがあります[3]
脚注
出典が必要な場合か、統計の節を更新するときに使うことができます。
書式
一貫性を保ち、国際でのアクセシビリティを対応するために、下記の書式ガイドラインに従うようにしてください。
数字と百分率
- 数字は一般的には文字(十またはten)ではなく、算用数字(10)を使用してください。
- 巨大な数字を書くとき(例えば、百万、億、兆単位など)、算用数字と文字を併用することができます。例: 160万人
- セント単位か100万以上の金額を書くとき、数字(必要な場合は通貨シンボル付きで)と文字を併用してください。例: 5セント、$270万($2.7 million)。100万以下の金額は「$17」のように通貨シンボルを使用してください。
日付
- 年は常に4桁で書いてください。
- 英語では一般的には「日月年」と書くのが最良ですが、「月日, 年」でも許容されます。ただし、03/01/2030のように書く場合は数字の順番が明らかではないので、全て数字ではなく、1 March 2030のように書いてください。
- 会計年度は「2017年7月から2018年6月までの会計年度」(July 2017–June 2018 fiscal year)という表記が最良ですが、短く書くときは「2017年から2018年までの会計年度」(2017–2018 fiscal year)でも許容されます。また、四半期への言及では何月にあたるのかも含めたほうがよいと考えられます(例: 2017年-2018年の会計年度の第三四半期(2018年1月-2018年3月)、英語表記"2017–2018 fiscal third quarter (January 2018–March 2018)")。短く書くときは「2018年1月-2018年3月の四半期」(January 2018–March 2018 quarter)とします。
百分率
パーセント記号(%)を使います。
頭字語と省略形
頭字語と省略形は読者の混乱を招くが多いので、避けることができる場合は常に避けてください。頭字語が以降の参考になる場合、当該語彙をはじめて書くときは省略せずに書き、続いてカッコ内に頭字語を書くようにしてください。例: ウィキメディアUK (WMUK)
Cultural slang
- Avoid terms like 101 or Brown bag meeting which are not inclusive, as these terms are not understood outside of your culture.
個人の肩書き
(英語に適用)名前の直前にくる場合を除き、個人の肩書きは大文字にしないでください。例:
- The director got approval、またはDirector Lopez got approvalとしてください。
肩書きはできればジェンダーニュートラルにしてください。例:
- Firefighterとfiremanは両方とも「消防士」の意味ですが、firefighterを使ってください
- Chairpersonとchairmanは両方とも「議長」の意味ですが、chairpersonを使ってください
約物
箇条書き
(英語に適用)各箇条の1語目は大文字ではじめてください。各箇条の終わりにセミコロンをつけないでください。各箇条が完全な文である場合のみ、箇条の終わりにピリオドをつけてください。
- Apples
- Bananas
- Naan chips
When you leave the house:
- Please buy apples, bananas, and naan chips.
- Fill the car with gas.
コロン
コロンの後が完全な文である場合のみ、コロン直後の1語目を大文字ではじめてください。例:
- I have several favorite foods: apples, bananas, and naan chips.
- I have several favorite foods: Apples were my first favorite snack, but naan chips are a rising star in my life.
コンマ
(英語に適用)シリアルコンマ(Serial comma、オックスフォード・コンマ(Oxford comma)とも)を使います。すなわち、事柄を3つ以上並列して書くリストにおいて、接続詞の前にコンマをつけます。例: Please buy apples, bananas, and naan chips.
ダッシュ
(英語に適用)字句と字句の間にダッシュを使用するとき、より長いemダッシュ(—)をスペースをつけずに使ってください。下記のようになります:
- Another "planet" was detected—but it was later found to be a moon of Saturn.
emダッシュは下記のように入力できます:
- Macでは前後にスペースを置きつつOption + Shift + - と押します。
- Windowsでは数値キーパッドでALT + 0151と入力してください。数値キーパッドがない場合、ショートカットはありません。
- Linuxの利用者はMakeuseof.comをご参照ください。
数字の範囲の表記にはenダッシュ(–)を使ってください(例: pp. 42–87)。下記のように入力できます:
- MacではOption + -。
- WindowsではALT + 0150。
引用符
(英語に適用)下記は引用符を正しく使用している例です:
- "Would you like a banana?" he asked.
- "I hate bananas," she said. "You know I hate bananas."
- He paused before saying "bananas are not something people should hate."
スペース
(英語に適用)文の間は常にスペース1つだけです。スペース2つにしないでください。
スラッシュ
スラッシュ記号(/)は避けてください。文字や(英語に適用)コンマで適宜置換してください。
顔文字
- 顔文字は公式広報ではめったに使われず、避けるべきです。
- 同じシンボルでも文化圏によって意味が違います。例えば:
- 絵文字は、フォントやソフトウェアによる上書きのため、ビューアー間で一貫性がありません。
- たとえば、誰かが「もし私に🧞がいたら、[...]がほしい」と書いたとします。この絵文字はgenie emojiを想定していますが、しかし、(1) 書き手が「Apple」版の絵文字を入力(想定)しても、(2) 私は「Twitter」版を見て、意味が理解できず、(3) テキストをGoogle チャットにコピー&ペーストすると、二人とも「Google」版の絵文字が表示されます。
- 読み手の中には特定の絵文字が全く表示されない場合があります。特に、絵文字がUnicodeのライブラリに新しく追加されたときや、新しいフォントがインストールされていない場合にそうなることがあります。File:Emoji flag display problem.jpgを見ると、旗の絵文字が一部のユーザーにどのように表示されるかの例が確認できます。