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ウィキメディア財団の人権影響評価

From Meta, a Wikimedia project coordination wiki
This page is a translated version of the page Wikimedia Foundation Human Rights Impact Assessment and the translation is 98% complete.
人権の影響評価(英語版)
ウィキメディア財団 HRIA の今後 + 事業計画概要(アラビア語)
ウィキメディア財団 HRIA 序文 + 事業計画概要(繁体中国語)
ウィキメディア財団 HRIA 序文 + 事業計画概要(フランス語)
ウィキメディア財団 HRIA 序文 + 事業計画概要(ロシア語)
ウィキメディア財団 HRIA 序文 + 事業計画概要(スペイン語)

はじめに

この人権影響評価(HRIA)は2020年にウィキメディア財団の委任により作成され、ウィキメディアのプロジェクト群に関連した人権リスクを理解し、そのリスクに対処し緩和する機会を特定するものです。(※=Human Rights Impact Assessment)

ウィキメディア運動は人権と相互に関連した役割を担っています。私たちのプロジェクト群は基本的に、知識へアクセスするという一人ひとりの重要な人権の実現を手助けします。しかし知識の管理と共有、貢献の過程こそ、基本的権利すなわち表現の自由、個人情報の保護、公平性などを中心とする人権に影響を及ぼします。ここで言う「人権影響評価」の趣旨は、これらの影響の検証、さらに人権をより良く尊重して促進する上でどんな行動が可能か財団に提供することです。

この報告書は、透明性へのコミットメントの一環として、また財団が報告書でなされた勧告をどのように進めるべきかについてボランティアから意見を求めるために、2022年7月に公表されました。この報告書を公表することにより、財団はウィキメディア運動の利害関係者だけでなく、より広範な人権運動にもこの対話に参加してもらい、財団のHuman Rights Policy の導入部で述べたように、人権に関する約束に対する責任を果たしてもらうようお願いしているのです。

人権影響評価とは?

人権インパクトアセスメントは、企業、組織、プロジェクト、方針、合意の人権リスクに対する潜在的な対応を特定し、検討することを支援します。多くの場合、潜在的なリスクの対象である人々を巻き込み、組織内の他の適正手続きを土台にします。オンライン・プラットフォームを含む企業に対して、適正手続きの一環としてHRIAを実施・公開することへの期待が高まっています。

アセスメントはいつ、どのように行われたのですか?

この評価は2020年に実施、担当したアーティクル・ワン(Article One)は専門戦略および経営のコンサルタント会社として人権、責任ある発明、持続可能性の専門知識を備えています。同社のレポートを2020年7月に受理しました。この評価には財団およびウィキメディアのプロジェクト群に関して公開および非公開の情報の机上評価に加え、財団職員および外部の主要な人権専門家6名へのインタビューが含まれています。レポートの調査結果はその後、世界各地のボランティア6名による検証を受けました。

評価には何が含まれているか?

評価レポートには以下を述べています。

  • 序文には影響評価のより広範な背景、人権がウィキメディアの理想とどのように交差するか、人権促進についてレポート受理以降に財団が採用した措置をあげてあります。
  • レポートの事業計画概要
  • レポートが特定した人権リスクのカテゴリ5件をより詳細に分析
  • 人権リスクに対応する財団への勧告

HRIA の序文と事業計画概要はアラビア語中国語(繁体)フランス語ロシア語スペイン語の各言語版があります。

アーティクル・ワンならびに財団は評価の要素をいくつか改訂し、ボランティアの皆さんと財団職員の身元と安全を保護するとともに、ウィキメディアのプロジェクト群を意のままにしようとする悪意の存在に利用される可能性を制限しました。そうは言っても報告書の元の版の完全性を可能な限り維持しようと、財団ならびにアーティクル・ワンは取り組んできました。

なぜこのレポートの発行は今(2022年)なのか?

残念ながら新型コロナウイルスの世界的流行(COVID-19パンデミック)によって混乱が生じ能力を制約されたため、このレポートの発行は大幅に遅れています。しかしながら財団はレポート受理から2年間、人権の重要な課題を促し続けてきました。人権影響評価で得たいくつかの勧告を含め、財団は人権の課題について組織の既存の優先事項に沿う推進策を講じました(詳細は以下をご参照ください)。

財団はレポートの受理後、どのような作業でレポートの調査結果と勧告に対応しようとしたか?

財団は過去2年にわたりレポートの勧告に対応する能力の強化に努め、また実行できる場合は HRIA 勧告のうち、組織の優先事項他、プロジェクトのロードマップとすでに一致しているものを実践してきました。

主な手順は次を含みます。

  • ユニバーサル行動規範を開発する。 In 2020, the Foundation began the process of co-developing a Universal Code of Conduct for all Wikimedia projects with the movement. The Universal Code of Conduct was approved by the Board of Trustees in February 2021, and enforcement guidelines for this policy are currently under development.

財団は2020年、ユニバーサル行動規範を共同開発するプロセスを始め、運動に参加するウィキメディアのすべてのプロジェクトを対象としました。財団理事会はユニバーサル行動規範を2021年2月に承認、この文書の時点で、この方針の施行ガイドラインは作成中です。

  • 財団における人権関連の専門知識を向上させるため投資する。 The Foundation has established several new roles—including a Human Rights Lead, Human Rights fellows, Vice President of Global Advocacy, and a Senior Human Rights Advocacy Manager—to bring on individuals with expertise in human rights and establish better processes to respond to human rights risks to our projects. These positions are complemented by a newly-developed Human Rights Steering Committee, composed of senior-level leaders from across the Foundation, which is responsible for coordinating the high-level development and implementation of the Foundation’s Human Rights Policy and other due diligence practices.
  • 運動において人権関連のリソースを補強し最善慣行を強化する。 人権の専門知識を備えた財団職員は2021年から2022年にかけてメカニズムと経路を改善して確立し、脅威に対応できる職員に対してボランティアや関連団体が人権に関する懸念をよりよく報告できるようにしました。また職員は1対1の相談や多言語ツールキットの開発などを通じてオンラインの個人情報保護と安全性をより適切に保護できるように、リスクのあるボランティアにデジタル・セキュリティの技能と最善手法を研修してきました。一連の対応の最後として、財団職員は脅威にさらされる声プログラムとの連携を進め、デジタル・セキュリティに特化してコミュニティと定期開催する事務局時間と、多言語オンラインリソースの両方を開発しました。(Voices Under Threat=脅威にさらされる声)
  • 人権方針を承認する。 財団は人権方針を開発し、理事会の承認は2021年12月に得ています。この方針に従い、財団は人権リスクへの対処とその軽減に必要な主要な活動4件を約束します。
    • 人権の取り組みは財団の注意義務および努力義務。
    • 取り組みを追跡し、公表して人権への責任ある関与を果たす
    • 人権尊重の促進および維持のためにパートナー組織や民間部門、政府への影響力を活用
    • 被害がおきたとき効果的な救済策にアクセスできるようにする
  • コミュニティの責任ある参加。 財団は2022年5月、さまざまなコミュニティと財団職員を対象に一連の公開と非公開の対話を始めて、人権問題に直面したコミュニティ参加者のニーズと、それらに人権方針の実施がどのように役立つか、よりよく理解しました。
  • 人権の取り組みは財団の注意義務および努力義務。 財団はHRIA報告書の提出に続いて人権影響評価を2つ追加して委託し、「子どもの権利影響評価」(2022年4月)、「製品レベルの人権影響評価」(2022年5月)が含まれます。これらの報告書も発行予定です。
  • 虚偽情報の影響を軽減するには。 虚偽情報は HRIA 実施の前から財団の関心事項であり懸念の領域でした。この懸念は多くの人が運動のあちこちで共有している感情だと承知しています。私たちは財団に投資して、虚偽情報がどんな独得の方法で私たちのプロジェクト群に影響を与えるか理解して、特定して対応するボランティアの皆さんをよりよくサポートしてきました。ここで言う業務の範囲には、さまざまな文化的背景を掌握する虚偽情報処理専門の職員の雇用、調査と究明を実施して虚偽情報がプロジェクトに現れる様態をよりよく理解すること、対象となるであろうコンテンツを監視するボランティアのサポートが入ります。新しいツールの開発により、虚偽情報の防止およびその対応をより簡単かつ効率的にすること。財団はこれらの経験に基づいて組織的戦略の開発に取り組み、ウィキメディアのプロジェクト群の虚偽情報に対処するとともに、擁護活動を強化して公共政策としてオンラインの虚偽情報に対処するよう促進しています。

今後の展望(2022年7月)

財団の人権方針にまとめたコミットメントを守るには、この評価レポートが特定したリスク対処にまだ多くの作業が残されています。短期の課題は上記で概説した作業、すなわち2022年4月に始めた子どもの権利影響評価と、同年5月開始の製品レベルの人権影響評価の継続です。人権に関する長期の取り組みとして財団が次にどの勧告を追求すべきか決めるには、運動の参加者から質問とフィードバックを集め、この議論のページに招待してレポートの推奨事項について話し合うよう促します。

HRIA の調査結果がウィキメディア運動の参加者のより広範な範囲に知られて、私たち全員が直面している人権の危機と脅威の性質をよりよく理解すること、それらリスクの軽減と私たちのコミュニティ参加者の保護にはどのような作業と困難な議論が欠かせないか、これらの働きかけに役立つと願っています。

フィードバックの投稿先は?

この議論のページでは、このレポートとその勧告に関するご質問ご意見、フィードバックをお待ちしています。7月14日のコミュニティ事項委員会にはグローバル・アドボカシー・チームの代表者も参加し、このレポートを議論し質問にお答えします。

グローバル・アドボカシー・チームはこれら空間のほか 毎月のコミュニティとの対話の時間を始めました。7月28日開催の対話の時間(12:00と17:00 UTC)には、このレポートと人権方針に関する取り組みの最新情報を提供します。どちらもリモート会議ですので、この評価に関して質問やフィードバックを共有するボランティア参加者を募集中です。

この報告書および財団のより広範な人権への取り組みに関して、グローバル・アドボカシー人権チームはさらに運動戦略フォーラムのプラットフォームおよびウィキメディアの今後のイベントで議論を促していきます。

フィードバックを非公開で共有して個人情報を守りたい、もしくはご自分その他の人権に危機が及ぶ点を憂慮される場合は、当チームへのご連絡は右へお願いします。policy@wikimedia.org