ウィキメディア財団理事会の掲示板/ブランディングに関する理事会の最新情報
The Wikimedia Foundation Board of trustees has resolved to pause the Movement Brand Project until March 2021. Read the full resolution on the Wikimedia Foundation Governance Wiki. |
- "このメッセージ、"ブランディングに関する理事会の最新情報"は、2020年6月22日に送信されました。
ウィキメディア財団理事会からの最新情報
皆さま、
この状況に対し、3月からウィキメディア財団理事会の議長代理を務めている[1]私がすべての責任を負います。懸念を表明する議論に携わっているボランティアスタッフや、勤務してきてそれが理事会において真剣に検討する方針なのか、単なる演習なのかが本当にわからないスタッフがこの状況全体に対して不満を感じていることについて私は本当に申し訳なく思っています。理事会の議長として、理事会がコミュニティに対して明確な情報を提供し、スタッフにガイダンスを行う責任を負っていることを私は認識しています。
2017年、理事会は2030年活動戦略指針を承認し、世界的な使命の一環としてウィキメディアプロジェクトの範囲を新たな言語、コミュニティ、地域に広げることの戦略的重要性について認識しました。2018年6月、理事会は財団の年間計画を承認しました。これには、ウィキメディアとウィキペディアのブランドを調査し、これらの目標を達成するのに役立つルールとする方法を理解することも含まれています。
2018年11月[2]、スタッフはウィキペディアとウィキメディアのブランドに関する調査結果を理事会に提出しました。私個人としては比較的古くからのウィキペディアン(ウィキメディアンとしてはそれより少し短い)ですが、ブランド変更は必要で私たちの使命と世界的な未来像にとって有益であり、それはウィキペディアブランドに基づくべきであることを見出したことにより基本的には確信しました。そこで提示された情報は、チームが作業を続けるべきであると理事会にも確信させました。しかし、議事録からわかるように、理事会は現在の名称を浸透させるためのコミュニケーションが重要であると信じていた一方で、ウィキメディア財団の新たな名称候補についても真剣に議論されていました[3]。
ここで率直に言うと、直感的に「ウィキペディア財団」のような名前を採用することには、さらによく検討することに意味があるかどうかは別として、多くの意味があります。しかし、組織の名称変更だけを計画していた訳ではなく、さらなる議論が必要であったのはもちろんです。その報告は、私たち(理事会)がこの議案に関する予算を承認する上で十分説得力がありました。
理事会は、2019年と2020年の年間計画からの継続的作業に対する承認も含め、定期更新されたまだ途上にあるブランドに関する作業計画を受け取りました。しかし、多くのコミュニティから得るフィードバックのバランスを取る方法や、新たなコミュニティに伝えることの重要性を含め、作業が終わったときに理事会が行う内容について真剣で率直な話し合いはまだできていません。また調査プロジェクトは現在も進行中であるため、まだ最終的な報告を受け取っていません。
プロセス自体は、ブランドプロジェクトチームが包括的で透明性のあるプロセスを設計しているにも関わらず、一部のボランティアには苦しみをもたらしました。そしてその中には、仕向けられたあるいはそれどころか実際には誘導されたと感じているボランティアもいます。私はそうするつもりはなかったと確信しています。しかし人々は、例えば前回の調査で報告されたKPI(主要業績評価指標)を、コミュニティまたは理事会をだます試みだと主張しています。理事会は指標値に応じてブランドプロジェクトを支援するという決定は下しませんでしたし、指標値の明確化やそのKPIの削除はプロジェクトに対する理事会の支援にも影響しません。誠実な誤りとは、同僚の意図やプロセス全体の目的に対する信頼を損なうものであってはなりません。しかしこの「見て見ぬふりをしていた」感覚は、ボランティアとスタッフの双方をすべてを傷つけているので、私は多くの苦痛を生じさせてしまったことを認めます。
私たちが一歩戻り、将来の仕事が一緒になるよう正直で建設的な話し合いを持とうと努めていくことを私は望んでいます。私はウィキメディア財団が誠実に行動することに対して不信感があることを知っています。またスタッフがコミュニティーと話すのを怖がるので、率直に話し合うのは本当に難しいことも知っています。私たちはみんな悪循環に陥っています。私たちは互いを信頼していないので、正直に話さないのです。私たちが正直に話さないので、信頼を築けないのです。私はそれを本当に変えたいのです。だから私は理事会の見解についてできる限り率直でありたいのです。
執行部は「何らかのブランド変更は行います。これは既に理事会で決定されたことです」という声明を出しています[4]。これは何を意味するのでしょうか? ブランドプロジェクトは2018年に理事会で承認されました。ブランド変更には名称、ロゴ、タグライン、配色、字体そしてこれらを組み合わせた内容が含まれます。プロジェクトの成果は、推奨された新ブランティングを実行した結果を集めたものとなるでしょう。理事会はまだ具体的な勧告を承認していません。しかし、はっきりさせることは重要です。理事会は決まれば必ずウィキメディア財団という名称を変更します。それが例え「ウィキペディア財団」という名前であったとしても。
理事会はもうウィキメディア財団の名前を変更することを決めたのですか? いいえ、理事会はまだ決めていません。2018年、理事会はウィキメディア財団という名称は私たちの戦略的目標には役に立たないことに同意しました。2018年から2020年まで、理事会は調査結果を見直し、より良い名称を見つけることを目標としたブランドプロジェクトに参画しています。理事会はまだ別の名前に変更する決定を下していません。まだブランドプロジェクトの結果に関する最終報告を受け取っておらず、分かったことと妥協点に関して議論し理事会としてどうすべきかを決めることはできていません。この件に関する理事会の会談は8月の会合中に予定されています。
理事会は、2021年1月にWikipedia開設20周年を迎える前に、(承認されていれば)名称を変更することを希望しているのですか? ある意味ではそうです。決議[5]ではこれまで行われてきた作業についてふれられていますが、名称の変更が含まれていたのか財団による調査が完了したことだけが含まれていたのかはっきりしていません。理事会が決定していた場合でも、タイムラインはまだ変わる可能性があります。
理事会がウィキメディア財団に対し何をするよう指示しているのかについて理事会はより明確にすべきですか? はい、そう思います。 この不明確さや不整合の一部が、このすべての不幸な欲求不満の原因です。
ブランディングに関する8月の理事会の結果はどうなるのでしょうか? 理事会は以下のことができます 1)プロジェクトを停止する、2)実行中の作業を一時停止する、3) 作業を続行する。
理事会はまだあなたに調査[6]を受けて欲しいと思っていますか? はい。現在回答を募集している調査[6]は、もし財団のブランディングがウィキペディア中心となっていて、あなたの意見が必要なのであれば、できるだけ良い結果を見出すことと目的としています。これらの代案に対し建設的なフィードバックを提供する機会になります。もしあなたがそれについて議論したいと思っているなら、どうかお互いを思いやってください。
私たちの活動に含まれるすべての組織が同じ名前を持たなければなりませんか? 2013年の理事会決議[7]によるとそうなりますが、それは理事会がウィキメディアをブランドとしての可視性と認知度を向上する機会があると信じていたときに下された決断です。2020年の今では、この取り組み方針を緩め、活動に参加するすべての組織がそれぞれの地域の状況に最も適した異なる名前を使えるようにする丁度いい時期かもしれません。あるいは、名前は統一しつつ、資金調達の目的についてはどの私たちのブランド使ってもよいことにする。または別の方針で進める。理事会は、今後の課題に対応するため、より外向きになり、ブランドも含めた私たちの重要な資産を最適化する必要があると認識しています。
すべての活動を通し、私たちは2030年の目標を達成し活動戦略を構築する上ですべきことはたくさんあります。ウィキメディアの活動、ウィキメディアのコミュニティ、そして財団が必要に応じ新たな名前になったとしても、その仕事をすることができます。
みなさんどうか無事でありますように、
- antanana / ナターリア・ティムキフ(Nataliia Tymkiv)
- 暫定議長、ウィキメディア財団理事会理事
- ↑ wmf:Minutes/2020-02#Board Business
- ↑ c:File:A Wikimedia brand strategy proposal for 2030.pdf
- ↑ wmf:Minutes/2018-11-9,10,11#Branding
- ↑ Communications/Wikimedia brands/2030 movement brand project/Executive statement
- ↑ wmf:Resolution:Brand Project Support (May 2020)
- ↑ a b 2030年活動ブランドプロジェクト: 名称規定案の調査
- ↑ wmf:Minutes/2013-11#Movement roles