コミュニティ要望調査2019年
合計件数: 212 件の提案、1387 人の投稿者、7282 支持票
調査期間中の開始と終了の時刻を18:00 (UTC) とします。
- 提案の提出、議論、改善: 2018年10月29日–11月11日
- コミュニティ技術による提案の査読と整理: 2018年11月13日–15日
- 投票期間: 2018年11月16日–30日
- 結果発表: 2018年12月3日
コミュニティ技術チームはウィキメディア財団の作業チームで、活発なウィキメディアの参加者のニーズに合わせて専門性の高いキュレーションや修正用にツールを改良することに特化しています。このチームが基本的に取り組むプロジェクトは、毎年恒例のコミュニティ要望アンケートおいてウィキメディアのコミュニティによって決められます。
実際に活動しているウィキメディアの貢献者は、毎年1回、このチームに取り組んでほしい機能や修正の要望を提出することができます。受付は2週間で、その後、最も関心のある提案に投票をしてください。
この調査のプロセスはウィキメディア・ドイツ支部のTechnical Wishes(技術要望)チームが考えたもので、ドイツ語版ウィキペディアで行った要望調査に基づきます。ウィキメディア財団のコミュニティ関与チームから国際的な要望アンケートに支援を受けています。
毎年恒例のコミュニティ要望調査も4回目になりました。前回の要望にどう対処したか、現況はこちらをご参照ください。
例年、年度末に要望調査を行って、その翌年に要望に対処しており、ときにはその次の年まで対処が長引くことがあります。そのため、たとえば2018年に入っているのに、いまだに2016年とか2017年の要望調査に対応しているという話から混乱を招くことがあります。混乱を取り除き、また当年の作業目標に設定された仕事に気持ちよく取り組めるように、要望調査の名称を変更しました。これまでは調査の実施年を付けていたところ、今後は対処する年度で呼ぶことになりました。
提案の提出期間にはこの企画の最初の2週間を当てます。
ウィキメディアのすべてのプロジェクトのあらゆる言語版の貢献者の皆さんから、提出期間に提案を受け付けます。2019年に実現させたい新規機能とならんで既存の機能の改善も提案してください。記述する言語に制限はありません。英語以外の言語で記された提案書は、誰でも読めて投票できるように、主催者側で翻訳の手配をしようと考えています。
提案の内容は直接ウィキメディアの貢献者に役立つ明確なタスクとし、簡潔にまとめてください。 提案書には次の事項が必須です。
- 解消するといい問題はありませんか?
- 困っている利用者層とは? (編集者、管理者、ウィキソースの編集者など具体的に)
- この問題の現状は?
- 解決策の内容は?(提案がある場合)
提案はできるだけ具体的に書いてください。「(機能Xが)古い」、「改善する必要がある」、「バグが多い」と言うだけでは、何をする必要があるかを理解するのに十分な情報ではないのです。良い提案は、何が問題か、誰がそれに影響を受けているかを正確に説明します。提案について特定の解決策がない場合や、解決策をいくつか思いついたのにどれが最善かわからない場合は、問題ありません。
提案書の提出で、プロセスの開始段階をクリアしました。提案段階の2週間を使ってコミュニティに協力してもらい、投票段階で成功する可能性を高めるために、提案書の改良作業を進めていきます。提案書に対して誰でもコメントできますし、より良いものを目指して質問したり、変更を提案したりしましょう。よく似た提案が複数あるなら合併できます。提案の内容が非常に幅広いなら、より具体的なアイデア単位に分割するほうがいいかもしれません。目標はあくまで、最良の提案をまとめて投票段階へ持ち込むことです。
提案書の提出者は、それを改良する議論に積極的に参加することを期待されますから、変更案を集めたり意見を聞いたりするなど支援役をお願いします。そのためにアカウント1件当たりの提案を3件に制限し、もし投稿が4件以上の場合は3件に絞り込むよう依頼します。とっておきのアイデアをお待ちしています!
同様に提案者は登録利用者に限定し、ウォッチリストを活用して確実に議論の経緯を追い、質問に回答できるようにしています。投票権と同じでウィキメディアのプロジェクトの少なくともどれか1件で活動中の編集者に提案権があります。これらの基準を満たさない場合や、上限の3本に達したのにもっとアイデアを提示したい場合には、他の利用者に働きかけてその人に提案書を出してもらいましょう。
ご注意:ウィキメディア財団 (WMF) が管理する現行の機能の停止や廃止を求めても、コミュニティ技術チームの対応範囲外です。したがって投票の対象に含まれません。
はい、過年度には得票が少なかった提案を、もう一度提出することができます。
昔の調査から案を引っ張ってくる場合は、その案を「自分で引き受けて」ください—つまり、そのアイディアに関する議論に活発に参加し、投票段階で強くなるように積極的に案に何度でも修正を加えてください。前述のように、提案は一人3つまでですし、その中には昨年の調査からの再提案も含まれます。
以前の議論にリンクを貼るのは理解の手助けになりますが、昨年の議論や得票まで複写するのはご遠慮ください。昨年の議論で有意義な指摘を受けた場合には、提案の中に組み込むか新しい提案の中で告知してください。
提出期限の〆切後の1週間を使い、皆さんとともに提案書の査読にとりかかって投票期間の開始に間に合わせます。
活動中の貢献者はどなたでも提案を査読して、応援したいものに投票してください。投票する提案の数に制限はありません。公正さを確保するため投票権は登録利用者に限定し、また登録直後のアカウントによる票は除外する場合があります。
「支持」の票のみ集計した結果により、要望の提案を得票順に発表します。 提案者は自分の提案に対して自動的に支持票を投じたものとして集計します。
そうは言っても投票期間には議論に積極的に参加してください。「不支持」や「中立」の票にコメントを付けて投票する方法があります。議論によって、他の皆さんがどの提案に投票しようか決めやすくなるでしょう。また採用された提案の実現作業にとって、その議論は有益なインプットになるのです。
自分の提案をお知らせするカンバスは適宜、認められています。できるだけ多くの人々に働きかけて構いません。自分が活動するプロジェクトやウィキ・プロジェクト、利用者グループへの呼びかけを奨励します。もちろん票を増やそうと多重アカウントを使ったり投票や賛否の変更を強要することは禁じます。良心的な「投票率を上げる」呼びかけは大歓迎です。
上位10件がウィキペディアやコモンズなど最も大きなプロジェクト向けの提案で占められることは恒常化しています—ウィキペディアの規模の大きな言語版やコモンズに該当します。比較的小さなプロジェクトや利用者グループは数が多く、ウィキメディア運動の中で重要な役割を担っていながら、「集票力」が弱いため提案書を上位10件に送りこむことが難しい状況です。
このチームには規模が小さいグループの役に立つ提案に取り組むという公約があり、キャンペーンやプログラム運営者、GLAM提携組織、ウィキソースやウィクショナリーなどの規模が小さいプロジェクトあるいはスチュワードやチェックユーザがその対象です。
規模が比較的小さなプロジェクトから要望の提案を受けることは重要で — このチームやウィキメディア財団に対して規模の小さめなグループでどんなニーズがあるか、広く理解する助けになります。ですから、どうせ上位10件に入らないだろうと思っている皆さんも、ぜひ提案を投稿してください。
それぞれの提案書の受理は以下の基準に照らします。
- 提案書の主題は技術的変更に関するものとし、方針や社会改革は適用外
- 提案書は問題を述べるものとし、必ずしも特定の解決を求めるものではない
- 主題を十分にしぼりこめているかどうか。関連のないばらばらの問題の寄せ集めは対象外
- すでに他のチームの業務計画に組み込まれていないか、もしくは過去に他のチームにより不受理になっていないか
- 過去にすでにコミュニティ技術で不受理になっていないかどうか
- チームの対応範囲 (英文) に収まるかどうか
コミュニティ技術部門は上記の基準に適合しない提案を不受理にすることがあります。
得票数の順位によって要望の優先順位が決められますが、コミュニティの技術チームは支持票が多い要望を評価し対処する責任を負っています。そのため、コミュニティの技術チームは上位の要望をすべて調査し、技術的なリスク要因と社会的・政策的なリスク要因の両方を評価します。反対票と中立票は潜在的な欠点を明らかにする上で非常に有効です。論議を呼ぶような要望について、コミュニティ技術チームは投票とより合意に基づいた評価とのバランスをとっています。
例えば、2015年の調査ではこれが功を奏しました。「ユーザウォッチリストを実装してほしい」という要望に対し、非常に多くの支持票が集まりましたが、心から反対する票もいくつかありました。コミュニティ技術チームは両方の意見を聞き、このプロジェクトを実行するかどうかについて意思決定しました。
…もう一度、既出の案件を全て載せるだけでいいのでは?
調査を毎年行う主な理由は、より多くの皆さんに参加してもらいたいからです! これまで調査をきっかけに、担当チームと調査の存在を知った人は増えてきましたし、1年がかりでトップ10位の提案の大部分が実現する頃には、この事業に関心を寄せる人もさらに増え、参加に積極的になってくれると期待しています。ですから、誰にでも新しいアイデアを提案するチャンスがあるようにしたいと考えています。
既出の案件がその後も支持されているかどうか、見極めたいのです。ソフトウェアの改訂に伴って、利用者のニーズも進化していきます。ときには、1年前には熱望された案件が重要でなくなったり、あるいは説明文が現状からずれていたりします。毎年、調査を行うことでコミュニティの要望を再確認できます。
昨年の提案の中にもう一度、検討すべきだと思うものがある場合は、上記の「過年度の提案を再提出することはできますか?」を参照してください。